アンナプルナ農場の気まま日記

信州伊那谷で有機農業に取り組んで20年。農場の「いま」をお届けします。

エニグマ変奏曲を聴く その8 メニューイン指揮ロイヤル・フィルハーモニック管

イメージ 1

 1994年のスタジオ録音。「なんちゃらサウンド」ってうんちくが書いてあるが、さすが平成に入っての録音、音がイイ。

 えええ、メニューインの指揮い?とマユをひそめるなかれ。意外にも(失礼)なかなか良い演奏なんですよ、これが。

 ヨガに凝っていた彼のこと、以前ベルリンフィルのイベントで、いきなり指揮台の上で逆立ちして「運命」の冒頭を足で振っていた絵をつい思い出してしまうが、さすがに今回は普通に立っての指揮(だと思う)、悠揚迫らざるゆったりしたテンポでしっとりとした英国のオケの響きが楽しめる。まあ、ビーチャムの創設したこのオケのこと、この曲なら目をつぶっていても弾けるのではないかという悪口は聞こえてきそうだけど。

 で、この演奏、「Troyte」やフィナーレなどでは金管と打楽器、とりわけホルンとトロンボーンを強奏させ、豪壮な演奏になっている。 曲の最後ではパイプオルガンがサンサーンス交響曲よろしく堂々と鳴り響いて全曲を締めくくる。ちょっとやり過ぎの感もあるが、シノポリ盤同様、若い人向けのお薦め。

 ところで曲の最後のところ、人の叫び声のようなものが二回聞こえる。スタジオ録音のはずだけど、あれはなに?興奮したマエストロの声?だれか教えて。
 
 余談をもう一つ。この録音、オーケストラの全メンバーの名前がクレジットされている。知っているような名前は見当たらなかったけど、ソロだけでなくオケの全メンバーの名前というのは珍しい。コンサートで配られるプログラムにはよくあるけれど、CDではあんまり見ないなあ。