アンナプルナ農場の気まま日記

信州伊那谷で有機農業に取り組んで20年。農場の「いま」をお届けします。

「エニグマ変奏曲を聴く」 ~⑥ボールト指揮ロンドン交響楽団

稲の脱穀で体中ミシミシ痛いですが、続きを。

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 対向配置の演奏をもうひとつ。エルガーの晩年を支えた英国の名指揮者による1970年の名録音。自身が初演した「惑星」とのカップリングでお得感満載です。

 奇をてらわず、スコアに忠実に。木訥とはしているものの、落ちぶれる前の大英帝国の輝かしい残照を示す、とでもいえばよいのか。録音もいいし、安心して聴ける。美しさの中に厳粛をたたえた「ニムロッド」をはじめ、「自分達の音楽」を誇らしげに演奏していて好感が持てる。堂々とした終曲に向かう構成感もよい。一つだけ、第13変奏の船のスクリュー音を表すpppのドラムロール、ちょっとだけうるさいんでないかい?
 
 全体に特徴がないといえばそうだが、それだけ自然な演奏、ということ。作品の良さを味わうにはお薦めの一枚。