アンナプルナ農場の気まま日記

信州伊那谷で有機農業に取り組んで20年。農場の「いま」をお届けします。

フォレスター

イメージ 1
この秋から、伊那市がはじめた「フォレスター倶楽部」に入会し、道具の使い方などを習いながら近くの「ますみが丘平地林」の森林整備に月一回ほどのペースで参加している。
 ここは木曽駒ケ岳北麓に広がる約68ヘクタールの森。戦後いったん開墾された後放置され、平地では珍しいまとまった自然林(一部で植林)となっている。
 大半が樹齢50―60年生の赤松だが、間伐など手が入らずひょろひょろ。これを切って、下に生えて来ているコナラやカエデなどの広葉樹を伸ばしてやろうというもの。チェンソーを使って狙った場所に正確に倒す、という課題におじさんたちが取り組んでいる。
 ちょっと林学をおさらいしてみよう。
 国土の3分の2を森林が占めるわが日本。その4割がいわゆる人工林だ。特に戦後、住宅建設ブームに後押しされ、拡大造林という名の「天然林を切って杉やヒノキを植える」事業が国策として行なわれた。
 一方でこうした国産材は自由貿易のもと輸入材に押され、国内林業は衰退。70―80年代は東南アジアの「南洋材」、その後はロシアやカナダの「北洋材」、現在はアフリカを含め世界中の森林を切ってきた。日本にはちゃんと森があるのにかかわらず。農場主がかつて林業部門で海外協力を志した背景でもある。
 ネパールから帰国後就農した農場主には、依然森への思いが強かった。そんな中、同倶楽部の誘いはうれしく、大きな広がりにしていきたい。そういえば林学科同期の仲間と一緒に作ったつなぎ、背中には大きく「forester」の文字を入れたのを思い出す。

 ちなみに、切った木は持ちかえってペチカのまきになるのでいいことずくめ、なのだ。寒い時は薪割りが一番。まきを玉切りして薪にして、小屋に詰めこんでほっと一息。これで来年と再来年の半分ほどは確保したかな。