アンナプルナ農場の気まま日記

信州伊那谷で有機農業に取り組んで20年。農場の「いま」をお届けします。

有機農研大会、そして春!

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早いものでもう3月。週末は佐久で開かれた長野県有機農業研究会の
大会に参加してきました。一部で熱狂的に支持されている小祝さんの講演がその主な内容。土壌分析の専門家としての見方しか持っていませんでしたが、なかなか熱い男でした。

いわく、地域内での物質循環がおかしくなっている。山が荒れ、畑にミネラルを供給してくれていたシステムが崩れている。今のJAS基準だと海水のにがりと塩酸だか硫酸を反応させたような肥料は化学肥料とみなされ使用できないので、やむを得ず中国からマグネシウム資材を輸入しているが、いつまで続けられるのか。

いわく、健全かつ多収穫を目指そうとすると有機農業の方が慣行農法より土地の収奪性は高い。健康な野菜はそれだけ多くのミネラルを摂取し、それを畑の外へ収穫物として持ち出すため。

いわく、農場主が畑の生態系の目標にしていた森林生態系(施肥なしで自己完結している)では、実の部分の持ち出しはない。林業で木材として持ち出すのはセルロース(炭水化物)だけで、種は林地に戻っていく。農業では持ち出す分、収奪的になる。

などなど、いちいちうなずけるものばかりでした。いい勉強になったと思う。主催した東信地区の皆さん、企画から運営までいろいろお世話になりました。ありがとうございました。

そうこうしているうちにハウスでは苗がだんだん育ってきた。今年は二月の上旬に一回目を播いてみた。チンゲンサイなどをハウスで育てて早だしを目指したい。

写真は踏み込み温床のチンゲンサイ。奥はキャベツなど。