アンナプルナ農場の気まま日記

信州伊那谷で有機農業に取り組んで20年。農場の「いま」をお届けします。

謹賀新年

年が改まり、昨日から出荷が再開した。正月は妻と双方の実家を訪ね、二日間で全員の兄弟に会うという強行軍だったけど、子ども達はおもちゃも増えて大喜び。こっちはへとへと。

遅ればせながら、本年もどうぞよろしくお願いします。

さて年末にようやく放射能の測定ができたのでお知らせします。
結論から言えば「米は不検出、土壌は不明」というものでした。
以前書いたようにハウス内外の土壌を測り、降雨や降塵(こんな言葉あるのかな)による曝露の影響を調べたかったのです。

NAIシンチレーション式測定器による測定結果
単位・ベクレル/kg

【ハウス内土壌(表面約5センチ)】
I131 16.6±3.9
Cs137 0±2.9
Cs134 15.9±4.0
K40  456±96.2

【ハウス外土壌(同)】
I131 13.2±3.4
Cs137 0.9±3.1
Cs134 14.1±3.9
K40 372±82.7

【農場産新米玄米】
I131 <1.4
Cs137 <1.9
Cs134 <1.8
K40 45.5±23.1

検体はいずれも約1リットル。一時間かけて測定しました。
一応農産物も、と思い玄米を測ってみた。もちろん不検出。しかも一時間の測定でここまでの検出限界はなかなかの物だと思う。

さて土壌である。これをどう見るか。
まずヨウ素が検出されていること。三号機の爆発から9ヶ月が過ぎた現在、これは明らかにおかしい。

セシウムでは137がほとんど出ていないのに134が高い。これもおかしい。普通、こんな比率では現れてこないもの。

ハウス内外の比較では、ハウス内の方が全体に高め。これも降雨などの影響を考えるとつじつまが合わない。

総合的に考え、シンチレーション式の特性から、土壌はやはり測定できないことが分かった。本気でやるにはゲルマニウム半導体式の測定器で調べるしかない。とはいえ一検体1万を超える費用は出せましぇん。県は早く落ち葉や堆肥の測定をしてくださあい。

あ、ちなみにK40というのはカリウム放射性同位体で天然に存在するものです。人体内にも常に2000ベクレルくらいはあって循環しているらしい。Cs137ももう10万年くらいすると人類と共存できるのだろうか。