アンナプルナ農場の気まま日記

信州伊那谷で有機農業に取り組んで20年。農場の「いま」をお届けします。

天ぷら油でトラクター

昨日の代かきはトラクターにBDF(バイオディーゼル燃料)を入れて行なった。箕輪町NPO法人伊那谷菜の花楽舎」が最近作り始めた、廃食油を再生利用した燃料だ。

最初、100%でやってみたけどエンジンが掛からないのであきらめて、お薦め通り、軽油8割、BDF2割でやってみるとプスプスいっていたがとうとう掛かり、その後は順調。排気筒から上がる煙もなんだが天ぷらを揚げているようでうれしい。

最近、ニュースでバイオ燃料ということがよく言われるようになった。その主なものはアメリカやブラジルなどで作られるトウモロコシやサトウキビを原料にしたものだ。「枯渇する石油資源に代わり、二酸化炭素を固定してくれる植物を利用し」云々を聞くと一見良さそうだが、これは問題が多すぎる。

まず第一に穀物の価格が、これにより高騰する。当然、第三世界の人々が食料を手に入れにくくなる。輸出大国のアメリカとしては、これを狙っているわけだ。

それに、ここに使われるのは遺伝子組み替えのトウモロコシなど。花粉が他のイネ科植物と交雑すると、生態系にどんな影響を及ぼすのか。

第三に、ブラジルではこのトウモロコシ作付けのためにアマゾンの大規模開発を進めているという。熱帯林破壊をしてトウモロコシ畑にするというのは二酸化炭素固定という点からはどうなのか?

などなど、バイオ燃料には期待したい半面、現実には問題点ばかり目立つ。
そんな中、廃食油を使ったBDFは、いい。石鹸にしていた分を回している、という話もあるが、そんなに石鹸がはけているとも思えない。

燃料フィルターが詰まりやすいという欠点もあると聞くが、化石燃料の消費を少しでも減らせるのはうれしい。