アンナプルナ農場の気まま日記

信州伊那谷で有機農業に取り組んで20年。農場の「いま」をお届けします。

浜岡廃炉の陳情


伊那市議会に提出してきました。
議員さん、ちゃんと資料読んでね。
ほかの市町村でもだれかやってくれないかなあ。
転載大歓迎。

浜岡原発廃炉とエネルギー政策の見直しを求める意見書」の決議を求める陳情書(案)

【陳情趣旨】
3月11日に発生した東北日本太平洋沖地震により大きな事故を起こした福島第一原子力発電所は、関係者の懸命な努力にもかかわらず収束の気配すら見せていません。原発周辺の住民は避難や屋内待避を強いられたほか、放射性物質が検出された農産物の出荷制限や汚染水の放水による漁業の操業停止など塗炭の苦しみを味わっています。
原発は安全で、コスト面でも、地球温暖化対策でも最も有効だ」と言い続けてきた電力会社や政府の立場は完全に崩壊しました。私たちは、美しい日本の大地をこれ以上汚すことなく、子ども達の未来に引き継ぎたい。廃棄物処理の技術すら確立されていないような原発をなくし、負の遺産を引き継ぎたくない、と強く願っています。
こうした中、菅直人首相の要請に基づき中部電力浜岡原発の全面停止を決めたのは一定の評価をできます。ただし、首相の要請は、津波防護壁の完成までという条件つきです。鉄筋コンクリートの建物をも押し流す津波の破壊力の前に防護壁など役立つとは思えませんし、同原発の建屋地下室の床は海面より低く、津波が侵入すれば水没します。それ以上に重要なのは、予想される東海地震による浜岡原発の揺れは、福島第一原発が受けた揺れよりずっと強いものになると考えられることです。
原発東海地震震源域の真ん中にあります。地震波が発生するプレート境界面は、その直下では深さ15kmにあります。震源域の圈外でプレート境界面までの深さが60kmの福島第一原発より遙かに至近です。
こうした危険な立地条件にあることは、いかなる安全対策をしても厳然と残ります。これまで多少の破損が生じても「止める」「冷やす」「閉じ込める」は維持できると考えられていましたが、残念なことに福島の事故では「冷やす」と「閉じ込める」の破綻が実証されました。浜岡では大規模な揺れによる制御棒の変形や駆動装置の異常で「止める」ことすら行えなくなる可能性があります。よって浜岡原発廃炉とし、使用済み燃料の安全な保管を真剣に考えるべきです。
さらに、国内にあるほかのすべての原発も中立的立場の第三者機関による厳正な点検をしたうえで、古いものや安全性を確保できないものから段階的に廃止していくことを求めます。
今後原子力から再生可能エネルギーへの転換を図るなかで、エネルギーを100%地産地消できるシステム作りを目指すべきです。小水力や風力、バイオマス、太陽光、地熱などの再生可能エネルギーは環境への負荷が少なく、その開発は震災復興の大きな力になり得ます。さらに、エネルギー自給率がわずか4%という我が国にとっては安全保障の面でも重要な意味を持ちます。
エネルギー政策の転換は、政府や電力事業者はもとより、国民にとっても強い覚悟を求められるものです。エネルギーの消費拡大とセットで進められてきた原発の推進は、今回の原発事故という大惨事につながりました。この教訓を踏まえ、節電やピーク時の電力需要の抑制など適正なエネルギー消費の在り方を検討する必要があります。
以上述べた提言について、いずれも国民的議論の中で進められることを強く望みます。
  
以上の趣旨から、以下の要項につき国に対して意見書を提出していただきたく陳情いたします。


【陳情事項】
1.危険な立地条件にある浜岡原発廃炉とすること。
2.すべての原発は第三者機関により厳しく点検し、段階的廃止をすること。
3.エネルギー政策の柱を原子力から再生可能エネルギーに転換し、100%再生可能エネルギーによる自給を目指すこと。
4.エネルギー政策の転換は国民的議論を踏まえて行うこと。