アンナプルナ農場の気まま日記

信州伊那谷で有機農業に取り組んで20年。農場の「いま」をお届けします。

にんにく拡大再生産

4月以来連綿と続いてきた畑への種蒔きも今回のにんにくでおしまい。

にんにくって歩留まりが悪いんだよなあ。

例えばジャガ芋なら種芋1kgで20kgは収穫できる。米ならあの一粒からなんと茶碗一杯の米が取れる。でもにんにくは6片あるうちの1片を植えたのがまた6片になるだけ。たったの6倍。タネを買うと高いし消毒のリスクもある。

というわけで、なんでも自家採種の弊農場はにんにくのむかごを利用しています。

にんにくには地下の鱗茎部分のほか、茎の途中や花茎(とう)の先端にむかご(珠芽)ができます。鱗茎部分を太らせるため専業農家ではこれを摘み取りますが、そんなに収量が変わるわけではありません。これも鱗茎部同様栄養体ですので、しっかり発芽能力を持っています。使わない手はありません。

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これがむかご。植えておくと一年で下のような単片のにんにくができます。
このままでもにんにくとして利用できますが、これをもう一度植えるとちゃんとした6片のにんにくになる、というワケ(なんか某おバカな国際政治学者風)。

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 もちろん二年ものだけでは足りないので、普通のにんにくもタネとして使います。できあがりはほとんど見分けが付かないほど。

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 マルチを一切使わない弊農場では溝に15センチほどの間隔で並べて土を掛けるだけ。春にかけて徐々に発芽してきます。玉ねぎ同様、冬場の追肥と凍み上がった時の踏み付け、そして春先の土寄せはマストです。溝が曲がっているのは農場主の性格によるものではありません(笑)