アンナプルナ農場の気まま日記

信州伊那谷で有機農業に取り組んで20年。農場の「いま」をお届けします。

種苗交換会

長野県有機農研恒例の種苗交換会が松本であった。山梨の同種組織と合同で開き、もう14回になる。

半分くらい出席していることになるが、農場主もだんだん持ち寄れる種が増えてきた。
今回はミニトマト、タカキビ、ホウレンソウ、アマランサス、菜心、芽キャベツ、島村いんげん、グリンピースなどを提供して、ヤーコン、小布施丸ナス、壬生菜、山口大根などをもらってきた。

いやそれより、講師の野口種苗の社長氏の話が面白いこと。
講演は昼から三時間半とってあり、「ちょっと長いんじゃないの?」と思っていたが、一気に聞かされた。

現在の種屋の置かれている状況。アメリカ資本にどんどん吸収され、遺伝子組み替え+農薬というセットをどんどん進めていること。遺伝子組み替えのほかにも、雄性不稔(つまり、インポ)を人工的に作り出して交配種を作り出す方法がどんど広まっていること。日本の農政は海外から有機農産物を輸入しやすくするために、有機農家の反対を押し切って有機認証制度を導入したことなど。


ちなみに、この雄性不稔を使う方法、雑種強性がでるのでF1を使うにはいいが、その種はとれない。花粉がないのだから。稔るとしたら、ほかの同種の花が近所で咲いていて、その花粉がつくケースだ。つまり、同じ形質のものは普通の交配によるF1と違って、全く出ない。

フランスではこの交配種のテンサイが、在来のふだんそうと交配して雑草化し、大問題になっているという。

このことについてはもう少し勉強したい。とくに身近なところでは人参とたまねぎがこの技術を使い始めているというので、まずは自家採種をきちんとやりたいところだ。

だんだん、種を採ることは、農家の社会的責務と思えてきた。