アンナプルナ農場の気まま日記

信州伊那谷で有機農業に取り組んで20年。農場の「いま」をお届けします。

そぼ降る雨に

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暑かった日が去り、またしっとりした雨。福島からの風が長野県内にも吹いているそうだ。各地で測定してくださっている放射線量の値はいまのところ大きな変化はないようだけど、注意したい。

恵みの雨である。穂を出したばかりの小麦も、なんだかうれしそうだ。遅れていた野菜もぐんぐん伸びている。いつもなら嬉しい雨。今年は値が小さくなることを望むばかりだけど、福島周辺では全く恐怖の雨なんだろうと胸が痛くなる。申し訳ないような気分になる。

先日みたNHK教育「ETV特集」の「ネットワークでつくる放射能汚染地図 ~福島原発事故から2か月~」は、秀逸だった。28日(土)15時から再放送されるらしいから、見逃した方はぜひ見て欲しい。子供のために福島で汚染の実態を調べようときめた科学者の二ヶ月にわたるドキュメンタリーである。NHKはニュースではいい加減なことを垂れ流しているけれど、こういうじっくり取材して作る番組はいいものが多い。

内容はまだ見てない人も多いだろうからあまり触れないけれど、退去を命じられた養鶏農家が、それでも鶏の様子を見に来て、エサがなく餓死していくのをただ見守るしかない様子、あるいはペットにエサをやりに来て、リードを外せるようにして戻ろうとした時に追いかけてくる愛犬の姿など、涙なくては見られなかった。

主人公の科学者は、自主的な調査は行うな、と職場(厚労省)から告げられたため辞職してまで初心を貫いたそうだ。科学者のかがみである。なんとか保安院だか安全委員会だかの御用学者たちに爪のアカを煎じて飲ませたい。

僕はできることをするだけだ。六月の市議会に、原子力政策の見直しを求める意見書を出す陳情を仲間とやることにしている。声をあげることしかできないけど、やれることはやっていきたい。