アンナプルナ農場の気まま日記

信州伊那谷で有機農業に取り組んで20年。農場の「いま」をお届けします。

タイマグラばあちゃん

昨日は有機農研の大会で富士見へ。標記の映画を観る。岩手・早池峰山麓の開拓地で暮らす老夫婦(後半はおばあちゃん一人暮しに)の生活をたんたんと追った自主制作映画だ。

昭和の終わりまで電気が来なかったというオソラク日本一辺鄙な場所。お天道様と一緒に起き、午後も六時といえば寝てしまう(相撲がなければもっと早いとも)。機械を使わずに畑を耕し、深い雪の冬も凍みじゃが芋作りや味噌、豆腐作りに忙しい。膝が痛くても、遠くの川から引いている水道が詰まれば自分で直す。とにかく「食べるためにだけ」暮らしているのだ。

そんな生活だけど、おばあちゃんはお茶をうまそうにすすり、「極楽だ」とつぶやく。農神様に祈りを欠かさず、時々やってくる動物たちにも(農家にとっては普通大敵です)優しい眼差しを向ける。


完全自給自足に近い生活。あこがれるが、俺にはできない。畑仕事は好きだが、家族の支えや消費者の声があるから、やりがいになっている。でも老後はあんな暮らしができたらいいなとは思った。

いつもは泊りこみでほかの農家の仲間と酒を飲むのを楽しみにしているが、今年は日帰り。朝も風で飛んだ田んぼのはざ棒小屋を直してニシザワに出荷もするなど、忙しい一日だった。